日本の労働力需給について
この先の日本の人口動態統計では2044年までは65歳以上の高齢人口が増え続ける一方で15~64歳までの労働人口が急激に減少していく。結果として労働の担い手となる現役世代の割合が不足する社会に突入する。

増加する高齢者は「介護、物流、医療など人の手を介する生活サービスへの依存度が高く、高齢人口がピークに達すると推定される2040年代前半に向けては労働需要が横ばいで推移するため、労働を担う現役世代の減少と相まって、構造的、慢性的な人手不足が起こる

労働供給の担い手がこのまま減少していくと、労働需給のギャップが拡大し、現在約1億2000万人の日本で、2030年には約340万人、さらに2040年には約1,100万人の労働供給不足が発生すると試算されている。特に生活に欠かせない8つの職種「ドライバー」「建設」「製造」「サービス販売」「介護」「外食」「医療」「高度人材」の人手不足。これにより、例えばドライバー不足により注文したものが配送されなかったり、著しく遅配する可能性や、建設業界での人手不足により道路のメンテナンスや災害後の復旧に手が行き届かず、危険と隣り合わせの生活をする可能性。医療・介護での人手不足で、現在のようにデイサービスに通えなくなったり、利用回数を減らして家庭で介護せざるを得なくなったり、病院では医師不足により診察を受けられず、救急車を呼んでも受け入れてくれる病院がない、いわゆる医療・介護崩壊が起こる可能性がある。


世界に目を向けると東アジアや欧州諸国でも人口減少や高齢化の話題に事欠かず、人口構造の変化はもはや世界の潮流となる。世界で最も速いスピードで少子高齢化が進む日本は世界が将来直面する「少子高齢化によって何が起こすのか」という課題を先取りすることになるため、その対策に迫られている。
また有効求人倍率からも現在の雇用状況が読み取れる。厚生労働省の「一般職業紹介状況(令和5年11月分)について」によると、有効求人倍の年度別推移は以下の通り。

年度別で右肩上がりだった有効求人倍率は(左)、平成30年度をピークに下がり始め、令和2年度は、前年度より0.45ポイントと大幅に下落。令和2年からハローワークの求人記載項目が拡充され、一部に求人の提出を見送る動きがあったと同時に、新型コロナウィルス感染症拡大による影響と考察。令和5年12月の有効求人倍率は1.28倍で(右)、直近1年間は概ね1.3倍ほどで推移。

データの値を見てみると北陸地方、中国地方の値が特に大きくなっている反面、東京が含まれる南関東地方が最も低く、「東京一極集中」が顕著になっている。